■
- 作者: 石田衣良
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/12/14
- メディア: 文庫
- クリック: 16回
- この商品を含むブログ (40件) を見る
以前テレビでこの人の創作現場と創作法を、実際に1篇の掌偏が出来上がるまでを追いながらやっていて、興味深く見ていたのだが、ちょうど本屋でこの掌偏小説集を見つけて、それを思い出した。
原稿用紙10枚、毎月1編、24編の掌偏小説。
読書と音楽と散歩が好きで、コピーライターとしての優雅な日々。
30代後半でデビュー。
出来れば歳をとってから、週に1編掌偏小説を書く生活をしてみたい、ということだった。
印象に残った作品はなかったが、なんとなく作者の素の願望が見える箇所が好きである。
■
NHK漢詩紀行より
空しく悲しむ 清夜のゆくを
杜 甫
倦 夜
杜 甫
竹涼侵臥内 チクリョウガナイヲオカシ
野月満庭隅 ヤヅキテイグウニミツ
重露成ケン滴 チョウロケンテキヲナシ
稀星乍有無 キセイタチマチニウム
暗飛蛍自照 クラキニトブホタルハミズカラテラシ
水宿鳥相呼 ミズニヤドルトリハアイヨブ
万事干カ内 バンジカンカノウチ
空悲清夜ユク ムナシクカナシムセイヤノユクヲ
竹林のひんやりとした涼気が寝室にまで入ってきて
空に浮かぶ野の月は庭を隅々まで照らしている
重なった滴が露となって落ち
夜空にはまばらな星が瞬いている
暗がりに飛ぶ蛍はその身を照らし
水辺に宿る鳥は互いに呼び合っている
これらすべてのことが戦争の最中の事と思うと
この清らかな夜が過ぎていくことをなすすべもなく悲しむのだ
■
兵法三十六計―世界が学んだ最高の”処世の知恵”(知的生きかた文庫)
- 作者: 守屋洋
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2004/06/01
- メディア: 文庫
- 購入: 10人 クリック: 46回
- この商品を含むブログ (9件) を見る
なんというか、欲を満たそうとしたり、無闇に勝とうとしたり、自己中な理由で使用をすると、当人にとって大変な弊害が返って来るだろうな。
ただし自己中な欲なく使えば、有用間違いなしの兵法のエッセンスのみを抽出した良書であることは間違いない。
ところで老子の兵法観はこれだけ。
「どうしても仕方がないときだけ、戦えばいい。」
三十七計はこう付け加えよう。
「戦いは受身で消極的に限る。」w