白夜行 最終話


終わりました。う〜ん、どっと重い、けど充実感。これって、カタルシスか!?


2005年12月
笹垣(武田鉄也)に、ハサミで襲いかかった亮司(山田孝之)だったが、止めを刺そうとした時に、めまいが(青酸ガスを吸ったか?)。「便所に、入るな!」と言い残し、逃げ去った。
園村友彦(小出恵介)が、警察に出頭。「亮司を昼間、歩かせたい」と、犯行を自供。亮司は、カード偽造犯として、指名手配。
笹垣によって、松浦(渡部篤郎)の死体が、唐沢家の庭から発見された。
栗原典子(西田尚美)は、亮司の子供を生んで育てていた。
雪穂(綾瀬はるか)は、R&Y2号店の出店に忙しい。出店には、借金までする意気込みであった。「日のあたる場所に、あの日の花(ドブに咲く花)を咲かせたかった、」と。
篠塚(柏原 崇)は、雪穂に協力しつつ、自首を勧める。「犯罪でさえなければ、本当に美しい、絆だと思うよ。」と。「本気で桐原に人生返したいなら、あいつに真実を言わせてやるべきじゃないのか。全部雪穂の幸せのためにやったんだ、って、みんなの前で言わせてやれよ」と。
「わかりません、何のことだか。」雪穂に、篠塚の説得は通じなかった。
だが、雪穂は1人、自首を決意していた。


2005年12月24日、R&Y2号店オープン初日。
笹垣は、警察官たちと共に、店の周りに待機、亮司を待った。笹垣は、亮司が現れやすいように1人になると、サンタに変装した亮司が現れる。
誘うように公園の中に逃げていく亮司、それを追う笹垣。人気のない所までくると、笹垣は、待ち伏せしていた亮司に背中を刺される。白い袋に入れられ、バンの中に。致命傷を負っていない笹垣は、背中に刺さったハサミを使って、脱出。ものすごい執念を感じた。
歩道橋で雪穂を見つめる亮司に、傷を負った笹垣が、亮司のすべての犯罪暦を挙げながら近づく。
「お前には、子供がおる。その子供に、ちゃんと13階段上る背中、見せい!」
「お前、自分と同じ子を作る気か?親、信じられへん子、作る気か?」
「間違いだらけやったけど、お前が、精一杯やったんは、俺が知ってる。一人の人間、幸せにするために、お前は精一杯やった。お前の子に、俺がちゃんと言うたる。お前に流れとる血は、ほんまはそういう血や。俺がちゃんと、子供に言うたる。」
あの日、亮司を逮捕してやれなくて、すまなかったと、謝る笹垣。
「亮司、こいや(おいで)」手を広げて亮司を受け入れようとする笹垣。亮司は、笹垣の手に持ったハサミを、自分の腹に刺す。
「なんでや?昼間、歩きたかったんとちゃうんか!」と笹垣。
歩道橋から飛び降りる亮司。それに気づく雪穂。
「雪穂、行って!・・」
亮司は、雪穂の向こうに、指をさしながら、そう言った。
笑顔でうなずいた雪穂は、亮司に背中を向けて、立ち去った。
それは、子供の頃、父親殺しを背負ってくれた雪穂への、亮司からの「お返し」だったのだ。
亮司は死んだ。


雪穂は、警察にうその証言をし、無実。誰も罪を証明するものはいなかった。自分の幸せのために死んだ、亮司のために。
2006年11月11日、時効がきた。
雪穂は、生きるしかばねのようになって、店は借金まみれで倒産。
ある日。公園で遊んでいる典子と亮司の子供。子供を手招きする女(指輪が雪穂)。子供が手を差し出すと、女は手を握った。






「本当は、これだけだったんですよね。」
時効の当日、笹垣と、図書館の真文が、手をつなぐ男の子と女の子の切り絵を見ながらする会話。
2人だけの純粋な魂を、守りたいだけだったんですね。たったそれだけのことだったんですが、犯罪に犯罪を重ねて、もう取り返しのつかないところまで来てしまった。
自首するのが良かったのは、誰の目から見ても明らかでしょう。二人の純粋な魂を守るほうを選んだのは、笹垣が言うように「アホ」だから、だったんでしょう。
笹垣、篠塚、真文が、私たちの立場を代弁してくれていました。それ以上、言うことはありません。
重くて、切なかった。そして、最高のキャスト。見応えのある、いいドラマでした。レビューは、正直ちょっとしんどかったですが(笑)。途中から、あとに引けなくなったのは、実は私なのかもしれません(笑)。最後まで付き合って来て、よかったと思いました。


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