白夜行 第6話


第1話の見応えが復活した感じでした。相変わらずえげつないんですが、見る側の切ない感情も揺り動かすような。。


古賀刑事(田中幸太朗)が亮司(山田孝之)の母親・弥生子(麻生祐未)に笹垣(武田鉄也)のノートを見せたことにより、弥生子は興信所に松浦(渡部篤郎)の居場所探しを依頼。それは古賀が転勤を前に有休を使ってまでして、母親の情を利用した囮捜査だった。
雪穂(綾瀬はるか)は、図書館のおばさん谷口真文(余 貴美子)との会話(「隣の息子にトキメクなんていう心の余裕があるのは旦那がいるおかげだって気がついた」)から、亮司との関係をやり直そうとする。
松浦との関係を切りたい亮司だったが、過去の父親殺しの件や雪穂の写真のネガを松浦が握っていることで、結局従わざるを得ない。焼き鳥屋のおやじから松浦の過去を聞かされる。
松浦は、母親の浮気相手の子供だった。世間体を気にして実子として育てられるが、母親から遠慮して生きるよう言われ続けた。弁護士になった兄への反抗心からパチモンの裏街道人生を選んだのだ。


松浦の居場所を突き止めた弥生子は、松浦に「写真とネガを売ってくれ」と頼む。松浦がそれを聞き入れるはずもなく、弥生子を無理やり抱こうとする。とそこへ古賀が突入。婦女暴行の現行犯で松浦を逮捕しようとするが、逆に果物ナイフで松浦に刺される古賀。倒れた古賀を何回も刺す松浦。「おれ、何も悪くないねー」といいながら。
警察の捜査の手が回ってくることで松浦の家を訪れた亮司。母親の乱れた服から子供の頃母親と松浦との浮気を連想した亮司。躊躇なく松浦の心臓付近をハサミで一刺し。「お前、おれに似てたんだよな。だから誰にも言わなかったじゃん、あのこと。・・白夜がきれいだな」。松浦は死んだ。


一方、まったく同じときに松浦殺害を計画していた雪穂(こわっ)。亮司に「私も殺そうと思ってた。だから、やったのは私だよ。」と。これは子供の頃の亮司と雪穂の姿でしたね。
感動的な鬼畜な会話(笑)のあと雪穂は、「亮をもう一度、太陽の下に戻してあげる。」と亮司に言った。


いやぁ〜、パチモン松浦の生き様を渡部篤郎さんが好演していました。こういうのが見事はまる俳優さんですね。
それと、亮司が父親と松浦を殺害するのは、女性を守ろうとする本能からなんですかね。あるいは父親に対する嫌悪(エディプス・コンプレックス)なのか。心理学はよくわかりませんが。。だから切なくなるのでしょうね。やっていることは救われないんですが。
古賀を殺された笹垣。カップめんに七味をふりかけまくってました。それが「赤いきつね」だったか定かではないですが(笑)、赤黒くなったそばを手に、やはり念仏唱えて、怒りに燃えた笹垣の顔、シビレました。応援します。


公式HP


ディレクターズカット ワイルドバンチ 特別版 [DVD]

ディレクターズカット ワイルドバンチ 特別版 [DVD]

はい、えげつない映画を紹介するコーナーがやってまいりました。(コーナー化するなっちゅうに)
ワイルド・バンチ。わたしが敬愛するサム・ペキンパー監督作品です。えげつないのはこの監督の厳しいリアリズムからきてるんだと思います。しょっぱなの銀行強盗からえげつない。教会の聖歌隊の人たちを銃撃の盾にするわ、人質を逃がすなという命令を忠実に守る頭の足りない男が人質を皆殺しにするわ。
そんな悪いやつらが最後に命をかけたのは、仲間への純粋な想いだった。。
えげつなさと純粋さが平気で共存しているリアリズム。嫌悪と切なさを誘うという意味では、「百夜行」と似ていますね。