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この公演は、串田が芸術監督を務める、長野県松本市のまつもと市民芸術館が自主企画して行なうもの。同館の実験劇場で幕を開けたあと、富山のオーバード・ホール、滋賀のびわ湖ホールと回るが、東京公演がない。まつもと市民芸術館はこれまで、松たか子主演の「コーカサスの白墨の輪」などもプロデュースし、東京でも上演してきたが、今回は、かねてから「東京発信」に偏った日本の演劇形態に疑問を感じていた串田が、あえて巡演地から東京を外したもの。地方の劇場が公演をプロデュースする形は、北九州芸術劇場が「ファウスト」「ルル〜破滅の微笑」の例など、近年では活発化しており、今後はこうした“内容も良く、スタッフもキャストも豪華なのに東京では観られない”という公演が他にも出てくるかもしれない。 ぴあ・コラムより
ということで、演劇はほとんど詳しくない私ですが、面白そうなので友人を誘って観てきました。面白かったです。全3幕で約3時間でしたが時間を忘れました。
安部公房の戯曲。「幽霊」という実体のないものに人間社会が翻弄されていく滑稽劇です。寓意と風刺がきいて、深いテーマなのにわかりやすく楽しいおはなしでした。
このときのために小説「壁」だけは読んでおいたんですが(汗)。。
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1924年-1993年。東大医学部卒。作品のところどころに理系の専門知識が出てきます。が、不思議と話がわかります。むしろわかりやすいです。カフカに影響されていますが、違います。カフカの苦悩や不安が公房にはなく、「一見して明らかなことは、カフカに比べて安部公房の作品は、はるかに軽く、はるかに明るい印象を与える。」と解説の佐々木基一氏が言っているような違いが歴然と見られました。その他の影響関係は、リルケ、シュルレアリスム、石川淳など。
さて舞台に話を戻しまして、所々に登場する音楽が不思議な魅力があって面白かったです。ミュージカルというのとも違うし、なんていうんでしょうねこういうの。
「作曲にはコンピュータを使い、ハイテクで作られた音楽をローテクの楽器で演奏する試みなど、斬新なアイデアで劇場音楽の可能性を広げるアーティスト」あさひ7オユキ(あさひな・なおゆき)が、楽団4人を引き連れてする音楽つき解説。その他、国広和毅、柴田暦、鈴木光介らが音楽を担当。
吉田日出子や小日向文世、大森博史ら、錚々たるメンバーが在籍した自由劇場。そのリーダーだったのが串田和美。役者が楽器を演奏し、劇場全体を祝祭的なライブ感で満たした自由劇場の音楽劇は、斬新で、今も伝説となっている。 ぴあ・コラムより
こんな人が演出・美術をやっていたんですね。ちなみに串田和美さんはまつもと市民・芸術館の館長でもあります。
私の貧弱な頭で連想したのが北野武監督の「座頭市」やビョークの「ダンサー・イン・ザ・ダーク」の音楽演出でした。
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ということで、演劇とのいい出会いをいたしました。