あいのうた 第9話


やさしさとか悲しさとか、目に見えないところに訴えてくるこのドラマ。話の面白さや刺激的な展開とは無縁なところで、役者の演技力に多分に支えられています。役者が悪ければ総崩れになっていたことでしょう。よくここまで俳優を信頼したドラマ作りができるなぁ、と感心しています。


プロポーズを断られたあいちゃん(菅野美穂)だったが、嫌われたからじゃないことはわかっている。今までの付き合ってきた男とは、最初から別れたり嫌われたりすることを考えていたのに、その予感が起きない。優二に愛されていることに変わりはないからだ。「大丈夫だよ、ずっと続くよ、そのしあわせは。」と房子(和久井江見)。


優二は自分が病気で死んでしまうことを子供たちに告げようとする。だが、自信がない、あいちゃんにそのとき一緒にいてほしい、と頼むが、彼女はそれを断り、その日は房子の部屋に泊まることにする。


ドラマ好きの房子の部屋でビデオコレクションを見せられたりしながら(笑)、房子が両親を高校生のときに交通事故で亡くしていることを知る。だから人が死ぬのを見るのが嫌で警察を辞めた房子。優二の病気のことを知って明るく振舞えなかったのもそういうことだったんですね。


あいちゃんは房子に今日泊まりに来た理由を話す。
「ちがうんじゃないかなぁ、片岡さん(優二)はあなた(あいちゃん)にいてほしいんでしょ。理屈はどうでも、あなたがいてほしいときに片岡さんはいてくれたんじゃないの!」
房子はいつもこうしてあいちゃんを導いていますね。ときに図々しかったりするけど、こういう存在は大きいです。


いそいで片岡(優二)家に戻るあいちゃん。子供たちに自分が死んでいなくなってしまうことを告げる優二。
「命より大事なものなんてないんだ。死にそうになるまでがんばらなくたっていい。」「大事な人を見つけるんだ。自分のほかに大事な人がいると、人間は強くなれるんだ。」
優二は生きていくうえで大切なことを子供たちに教えた。


長男の大は、野球で球が打てずに自信をなくしていた。野球の試合がある。バッティングセンターで優二にコーチされたものの、お前が打てば奇跡だと監督に言われて代打に立つ大。「奇跡を起こす!そしたら父さんの病気も治る。」と優二に告げる。外野フライだったが外してヒット、ホームに滑り込み、セーフ。
構成だけ見たらくさい展開なのだろうか。だが、今回はここが一番良かった。いいんです、そういうドラマなんです(笑)。


さて、今回の柳沼(成宮寛貴)と婦人警官ももこ(佐藤寛子)。う〜ん、柳沼。ももこの「鈍感!」発言は重いんじゃないかなぁ。愛想尽かしてますよ、きっと。次回はももこが彼氏を連れて柳沼の前に現れたりするんじゃないですかね。次は最終回。まあ、ももこの気持ちが柳沼に戻ることはないでしょうな(笑)。


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