花田清輝「ものぐさ太郎」


なんと偶然発見、花田清輝の「ものぐさ太郎」。
花田はものぐさを「抵抗の精神」と解釈する。
岡本太郎との笑えるエピソードもある。

わたしは、岡本太郎にむかって、わたしにものぐさ太郎の話を書く計画のあることをしゃべったことがある。するとそれまで、いつものように元気いっぱいに談論風発していた私の友達のアヴァンギャルド画家が、突然シュンとなってしまって、「そいつが、僕の弱点なんだ。誰にもいわないけれども、小さいときから、ぼくは、たいへんな怠け者で、いまだって一日の大部分は、ベッドの上で、これではいけない、これではいけないと歯がみをしながら、ゴロゴロしてるんだ」と告白したのにはおどろいた。<中略>わたしのみるところでは、かれは、いささかブルジョア化したものぐさ太郎というにすぎない。

その他谷崎潤一郎「らんだの説」、柳田国男「桃太郎の誕生」、アレキサンダー大王と哲学者ディオゲネスの逸話などが登場する。