あいのうた


ということで、またしても突然ですが、ドラマです。日テレ水10「あいのうた」。


主人公松田洋子菅野美穂)は、生まれてから27年不幸の連続、愛とは無縁の人生に愛想を尽かし、「消えてなくなってしまいたい」 と川に身を投げるが、 “人生初” の幸運で助かってしまった女…。元敏腕刑事で、かつ心やさしいお人好しの男・片岡優二(玉置浩二)と出会い、彼とその三人の子供たちとの奇妙な共同生活を始めることになったわけだが…。(公式HPより)

とまあ、悲劇じっとりドラマと思いきや、そうではないんですな。洋子の過去はかなり不幸なんですが、その辺はコミカルに描かれています。でも泣けるんですねえ〜。それはなぜなのか考えてみました。


それはきっと、記憶喪失を装い、今まで触れたことのない周囲の人の優しさに触れるたびにする洋子の反応に、悲しさの深さを知るからなんじゃないかなあ、と思います。それは、ぎこちなかったり、泣けなかったり、笑えなかったり、素直に反応できない姿なんですね。だからぎこちなくても笑ったり泣いたりする洋子を見ると、こちらが泣けてしまうんです。


たとえば第6話。周囲の人たちの優しさに触れるたびに、ウソをついていくのがしんどくなってきた洋子が、記憶喪失はウソだと告白する。「幸せな状態が消えてしまうのが怖いから、自分で壊してしまおう・・」なんて考えたりする。優しさを知らずに育った人間というものを実に丁寧に描いている、やさしさって何なのかってことも、周囲の大人や子どもを通じて教えられるんです。


こういう感情に訴えるドラマを感傷的にならずに描くというのは、実は大変難しいことだと思います。また演技者が素晴らしいですね。菅野美穂玉置浩二和久井映見小日向文世、成宮貫貴(彼はちと若いかな)・・。脚本は岡田恵和