いやぁ、寒かったですね。今年からコタツにパソコン無線LANで快適です。
こういう暮らしもなかなかおつなものですよ。


今回は写真仲間のmickさんの紹介で、「東京のこっちがわ」(なぎら健壱)です。

東京のこっちがわ

東京のこっちがわ

1952年銀座生まれ。葛飾区、江東区に住んだなぎら健壱が写す東京。どこか懐かしい郷愁のようなものを感じます。東京育ちではない私も感じる普遍的な感慨なのでしょうか。

子供の頃の時間てさ、なぜにあんなに長く
感じられたのだろう。
もしかしたら、持っていた夢の数に
比例していたのかもしれない。
それをひとつひとつ現実にできたから、
今が短くなってしまったんだよ。


いやそうではない、ひとつひとつ失くしていったから
短くなってしまったんだよ。
うそじゃない、
その夢をひとつひとつ思い出してご覧なさい。
夢はシャボン玉のように消えていったのがわかるから。

そのシャボンひとつひとつを写したような写真たちに、ちょっとした詩が添えられています。

そういえばずっと昔
この場所で、
やはり空を見上げていたような気がするんだ。
そして長い間、
はるかな永遠を眺めていた。

こういう、生活の中で捉えた情景に詩を添える感性って、mickさんのリーフ・フォトに驚くほど似ているなぁと思いました。

恋愛指数―photo & sonnet

恋愛指数―photo & sonnet

松本市在住の三沢枝美子さんが、駅から会社の行きかえりに撮った写真と、中学生の頃から綴っている詩を添えた写真詩集です。好きな詩をあげておきます。

改札口


梅雨明けの湿った風を
乾いた空気に変えていく伸びやかな笑い声
今日から夏服がまぶしくて目をそらした
僕は透明人間?
君には見えないみたいだ

この詩いいですね。写真撮りの詩ですね。共感。
あるいは・・

くもの糸


愛っていう生き物は
憎しみや嫉妬や所有欲なんかが
どろどろ混ざり合って構成されていて
そのくせひどく甘美な色と香りを放つので
私たちは気づかないうちに
引き寄せられている

なんていう辛辣な詩もいいですね。
でも一番好きなのはこの詩のようなストレートさかな。

It's me


トランプゲームみたいに生きるなんてまっぴら
ジョーカーを隠して手札を1枚返すごとの駆け引き
そんなのまっぴら

自分の手の内全部見せて生きたいの
プラスもマイナスも全部見せて
一緒に生きたいの!!

私がこんな風に選んで紹介したらmickさんに「ちょっと違う」と言われるかもしれません。でもこれはあくまで私の主観です。作品は作者を離れて一人立ちしてるということでご了承くださいませ。


最後に再びなぎら健壱に戻りまして、写真と詩を紹介します。写真は、床屋の店先に置いてある回転するカラフルなやつ(名前わかりません)の写真。そいつはもう錆び付いていて止まっています。

君には野望がなかったのか
いいや、野望があってここにいたはずさ
・・・それが今はただ、
古を思うだけになってしまった。

この写真と詩は収穫でした。個人的に。mickさん、ありがとう。