深夜のギャラリー


夜のウォーキングには、たいがいカメラを持っていきます。
松本市街を少し外れると、早いうちから店は閉まって、車も人通りもめっきり減ってしまいます。最近では銭湯に行く人も見かけなくなりましたね。それはそれで残念ですが。。
でも、全てが自己主張して光がせめぎあう都会と違って、しっとりと暗い町並み。そこではさまざまな「ちいさな主張」たちが、淡い光に照らされて、ひょっこり顔を覗かせたりします。


そこは市街の端っこにあるお茶屋です。歩く速度でないと気がつかないかもしれません。店はもう閉まっています。その店の中央に1m×0.5mほどの木枠のショウケースがあり、その中にオブジェが常設されています。20wくらいの淡い電灯に照らされたそれを発見したときは、心が踊る想いでした。


オブジェは2つ以上の骨董品と植物などの組み合わせからできています。
写真は大皿と花の組み合わせ。
そのセンスは私を虜にしました。ああ、この店主も、夜のちいさな主張がわかっている人だなって。。


1つのオブジェは、1〜2週間かけて展示されます。
ショウケースの灯りは、零時を過ぎても消えません。


強い自己顕示欲があるわけでもなく、それを見せたからといって、商品であるお茶が売れるわけでもなく。ただそこに飾りたかった、という素朴な意志なのでしょう。それは店主にとっては、夜通し飾っておきたいだけの、強い動機に裏打ちされた、しいて言えば"愉しみ"というものなのでしょう。


そしてそこは、私の夜の散歩の愉しみの一つとなっています。